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『ねぇ、真央言わなくていいの?』
『言いたいけど…』
楽しい時間なんてあっという間
高校の三年間もあと二週間で終わってしまう
毎日通ったこの教室も時が過ぎれば懐かしい思い出に変わってしまうのだろうか?
『何辛気くさい顔してんだよ!』
『うっるさいなー。いいじゃんもう卒業なんだからちょっとくらいセンチメンタルな気分に浸ってても。』
『あっそ。勝手にしとけば~俺はもう帰るわ!んじゃ。』
『うん、バイバイ。』
私は今の、恵輔が好き。
だから友達の捺津子に相談をしていた
私の気持ちを知ってるのは捺津子だけ
恵輔を含め私達三人はクラスが三年間一緒ですごく仲が良かった
一緒に遊びに行ったり
恵輔の家に泊まりに行ったりもした
だけどいつからかは忘れてしまったけど
私は恵輔を好きになっていた
友達という線引きをまたいでずっと近くにいた
だけど恵輔にとって私は友達だから
だから、言えなかった
二人で帰ることでさえも緊張して
恵輔に何気なく触れられた手がずっと熱を帯びていたことなんて
言えるはずがなかったんだ
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