刑事の章2

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「ここ最近村中さんの様子に変わったところはありませんでしたか?」 「変わったところ…ですか?」 「例えばなにか悩んでいるようだったとか、問題を抱えているようだったとか」 「オーナーは常にお店にいらっしゃるわけではありませんでしたから、私にはよくわかりません。…ただ、鴇崎さんのことで悩まれてはいたようです」 「鴇崎さんのことで?」 「鴇崎さんはまだ新人なのですが――どうしたら彼女がみんなと馴染んでくれるか、どうしたら仕事に専念してくれるか…そんなお話をされていたことがあります」 「なるほど…」と頷いて考え込む中里。 念のため鴇崎という人物も事情聴取をすべきかどうか。 一之助と同じくそれを思案しているに違いない。 「あの…」 と、わずかな静寂を林田が破った。 一之助と中里は無言のまま視線を返す。 ひと呼吸を置いて、彼女は言った。 「私、思うんです――オーナーを殺したのは鴇崎さんなんじゃないかって」      
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