刑事の章1

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「死亡推定時刻はガイ者が誕生日を迎えたばかりの0時過ぎ。ケーキを食べた途端に苦しみ出して、救急車を呼ぶ間もなく逝っちまったらしい」 「毒…ですかね?」 「詳しいことは鑑識の報告待ちになるが、十中八九間違いないだろうな」 「パーティーに参加していたという従業員たちは?」 「三橋がパトカーで1人ずつ事情聴取をしているが…ありゃ少しばかり手こずるかもしれん」 面倒そうな表情で中里が頭をポリポリと掻く。 「ガイ者以外、ここにいた5人はみんな女なんだよ」 「ああ…なるほど」 状況を把握して、一之助もまた顔をしかめた。 決して差別をするわけではないが、こういう場合は男性からよりも女性からのほうが正確な情報を得づらい。 男性に比べて女性は感情的になってしまう部分が少なからずあるからだ。
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