刑事の章1

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「自殺の線は薄いでしょうね」 「状況的に考えてな」 「他殺とすれば犯人はその5人の中に?」 「そう考えるのが妥当だろうけどよ」 「チュンさんはそうじゃないと思ってるんですか?」 「判断するには情報が少なすぎるってだけの話だ」 ベテラン刑事はそう答えると、疲れた身体を引きずるようにして玄関へ向かった。 「どこへ行くんです?」 「三橋に情報を貰いに行くぞ」 頷いて、一之助もそのあとを追う。 日付が変わっても、彼らの一日が終わるのはまだ先のようだった。      
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