刑事の章2

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夜が明けて、一之助は中里とともに市内最大のショッピングセンター《Access》へとやってきていた。 入口に備えられた案内板を覗いて一之助が尋ねる。 「名前、何でしたっけ?」 「忠治だよ」 「いや、チュンさんのじゃなくて。店の」 「確か《yurari》じゃなかったか?」 返す中里の口調は相変わらずぶっきらぼうだが、その様子はどこか落ち着きがない。 「どうしたんです?トイレでも行きたいんですか?」 「そんなんじゃねえよ。いいから早く店の場所を確認しやがれ」 「そう急かさないでくださいよ」 《Access》内には250近い店舗が軒を入れている。 その中から1つの店だけを探し出すのは、案内板でも容易ではない。 「《kurari》じゃなかったでしたっけ?」 「そうだったかもな」 「それならありました、2階の一番奥ですね」 目的地の位置を確認して、2人は歩き出す。
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