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夜が明けて、一之助は中里とともに市内最大のショッピングセンター《Access》へとやってきていた。
入口に備えられた案内板を覗いて一之助が尋ねる。
「名前、何でしたっけ?」
「忠治だよ」
「いや、チュンさんのじゃなくて。店の」
「確か《yurari》じゃなかったか?」
返す中里の口調は相変わらずぶっきらぼうだが、その様子はどこか落ち着きがない。
「どうしたんです?トイレでも行きたいんですか?」
「そんなんじゃねえよ。いいから早く店の場所を確認しやがれ」
「そう急かさないでくださいよ」
《Access》内には250近い店舗が軒を入れている。
その中から1つの店だけを探し出すのは、案内板でも容易ではない。
「《kurari》じゃなかったでしたっけ?」
「そうだったかもな」
「それならありました、2階の一番奥ですね」
目的地の位置を確認して、2人は歩き出す。
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