【カ】行

6/6
前へ
/62ページ
次へ
『ゴミ』 私と一歳下の妹は部屋が共同だ ある日、私たちは部屋が汚いから掃除しろと怒られた 部屋が汚いことについて、妹と責任の擦り付けをしたら、更に怒られてしまった とにかくゴミを捨てろと言うので、私たちは部屋を掃除し始めた だいぶ片付いてきた頃 怒られた苛立ちから私は妹に、あんたもゴミみたいに捨てたいよ なんて言ってみた もちろん本心じゃなかったが、妹は真に受けたのか黙って部屋から出てってしまった ちょっとキツいこといぃずぎたと反省しながら、しばらく部屋にいたら 妹が、 さっきはゴメンナサイ 捨てないで と泣きながら謝ってきた 私は妹を許して、それからゴメンネと謝った 妹はそれを聞いてにっこりとほほえむと、私を部屋から連れ出した どうやら、お詫びに紅茶をいれてくれたみたいだったので、ありがたくいただいた とたんに強烈な眠気がきて私は寝てしまった しばらく後 私は目を覚ました が視界は真っ暗だった なんでだろうなんて思いながら立ち上がろうとしたときさらなる異変に気付いた 立ち上がれない 叫ぼうとしたが、声が出ない 私はパニックになった しばらくして私はまた平静を取り戻した 相変わらず辺りは真っ暗だが、眼も慣れてきたおかげでなんとなく状況が理解できてきた 私は体育座りのような格好で、両手足を縛られ、口にはガムテープが貼られているようだった 誰がこんなことを そう思ったとき、紅茶を飲んだときの状況を思い出した 妹の歪んだ笑み そういえば、私は、妹に許してもらって…ない… 姉は人気のない近所の山に、段ボールにつめられ、ゴミのように捨てられていた
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加