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『オウム』
彼女の家にはオウムがいる
彼女はちょっと待っててって言って部屋から出ていってしまったから、僕はオウムにオハヨウなんて話し掛けてみた
そしたらオハヨウとかえしてきた
利口だなぁなんて笑っていると、オウムは喋りだした
アノネアノネ
ワタシ、ミチャッタミチャッタ
どうやら彼女はオウムに話し掛けたりしてるみたいだった
カレガイタノヲ
ミチャッタ
ミチャッタミチャッタ
ウラギリダ
ユルサナイ
ウラギリダユルサナイウラギリダユルサナイウラギリダユルサナイウラギリダユルサナイウラギリダユルサナイウラギリダユルサナイ
オウムは狂ったように羽をバタバタとふり、騒ぎ立てる
さすがに彼は狼狽える
かまわずオウムは叫ぶ
ドウシヨウドウシヨウ
ワタシ
ミチャッタ
なにをみたっていうんだろうか
彼はオウムの言葉を待つ
「ねぇ」
後ろから彼女が話し掛けてきた
オウムに気を取られていた彼は、かなり驚いた
振り向いたとたんに彼女が、彼の胸におさまり
一瞬遅れて腹部に違和感
「私ね、見ちゃったのあの娘といるとこ」
ウラギリダユルサナイ
「……ひどいよ」
コロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤル
オウムの眼は不気味にひかっていた
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