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「さらに1カマンベール追加」
「なんだそりゃ…」
「じゃぁ1カマンベールで10デストロイね」
「じゃぁってなんだ!カマンベールの割合でかすぎるだろ!」
「今さらに1カマンベール追加」
このままでは命が危ない。
いや本当に命が危ないのかは分からないが、危機的な何かが確実に俺の肩を叩いている。
振り向いてはいけない…
走るんだ!戒定慧!
「…かなた…もう勘弁してくれ」
「やっと呼んだ」
「…呼ぶしかないだろ」
かなたは笑っていた。
これは、いい意味で。
「1カマンベール追加、もう究極完全体ね」
前言撤回。
「なんでだよ!」
「もう究極完全体クリムゾンデスグレートロイ三世じゃない」
「混ぜすぎだろ!」
「これからは一生三世ね、決して全盛期には戻れない…可哀想に」
「最早なんの話かさっぱりわからんが、とりあえずその本気で哀れむ目はやめてくれ」
俺は膝から崩れた。
例えるならまるで膝カックン最盛期にクラス一番のお調子者が仲間に膝カックンをかますその姿を見て笑っていたら、自分の座るはずだった椅子がひかれて後ろにひっくり返った感じだ。
あの虚しさといったら他にないだろう。
しかしやる側では大ブームになる。それは小学校が小学校であるための本質的属性であるといっ…
たら過言だが、その勢いは凄まじいものがある。
かなたもそれに似ているのだ。
滅茶苦茶で横暴、ただその笑顔は可愛い。
残念なのは俺が椅子をひかれる側の人間であるという事だ。
地味に危ないし…実に危ない。
「今私が興味をひかれているのは"笑い"というその神秘的な現象なの」
「?ほぅ」
「だから慧なの、えへ」
「いや…繋がってないぞ」
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