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「…私はしてるつもり」
「うわぁぁぁぁぁぁぁああ!!」
負けた。
人類の進化どころか人類進化の歴史上、その精神がどこにいるのかも分からない隣人(雌)には何の効力も持たなかった。
「土下座って久しぶりに見たわ」
「くそぅ…」
「やっぱり貴方は面白い」
「やっぱり?」
「…顔が」
「どういう意味だ!」
「アハハ」
「っ…」
――隣人が初めて笑った。
「惚れんなよ」
「携帯返せ」
…
こうして携帯電話やその他諸々を巡る俺と隣人の小競り合いは
三時間に及んだ。
…
「さて、付き合いましょう」
「はぁ!?」
「私と付き合うか、ここの管理人さんと突き合うか、の二択ね」
「なんでだよ!ていうか管理人さんは男だよ!」
「だから?」
「え?」
「は?」
…
これが奇しくも、初彼女の誕生である。
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