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「俺は何してるんだ…」
「幸福にして最良の選択をしたと思うけど」
「名前も知らない彼女がいてたまるか!」
「ぁあ!それは失礼。
私の名前はNAMIHEI ISONO。
貴方のコインロッカーは不知火の輝きよ」
「よし駄目だ、別れよう!」
「待って、間違えた。
涼宮ハルヒ、ただの宇宙人程度なら一ミリも興味を示さないわ」
「なら何に興味持とうとしてるんだよ!」
…言ってることは支離滅裂、まさに無茶苦茶だ。
しかし、心なしか若干会話にはなってきている気もする。
俺は三時間に及んだ小競り合いによる自分の成長ぶりに素直に感動した…。
「西ではジャイアントクレイジー略してJC、東ではジャスティックカマンベール略してJKと呼ばれていたけど、あと何年かすればジャストドメスティッカー略してJDと呼ばれる予定ね」
「真ん中の時期だけ無理矢理過ぎるだろ!あれか?チーズで世界を救ったのか?」
「なら仕方ないわね、絶対領域様と呼びなさい」
「何がどう仕方ないんだっ!」
「…え?」
「ん?」
…隣人は顔を真っ赤にして手で顔を覆う。
「いやいや何?何の照れ?どこで恥ずかしかったの?」
「…私、何て大胆な事を…」
「そりゃずぅっとだよね、むしろ休まなかったよね」
そして隣人はもじもじし出した。
「………きゃっ……」
「…きゃっ…じゃねぇよ!というかなんで変に落ち着いたんだよっ!」
こいつの思考回路がどうなっていて、また羞恥心がどこに配置されているのか。
これは恐らく悪魔の証明並みに難しい課題である。
仮に教えてやろうと言われたところで、首を縦に振るやつもいないと思うが…。
「…ソラノカナタ」
「ん…?」
「"天野かなた"…名前」
「名前…?…本名?」
「…そう」
「…おお、そうか…」
隣人(天野かなた)が急に大人しくなったので、こちらもつられて静かになってしまった。
「…んでしょ?」
「え?」
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