いくらあるの?

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「お父さん!こういうことは早く言ってくれれば良かったのに。」 「私もアルバイトして手伝うよ!」 「彌生!」 お父さんの声が少し震えていた。 弟は背伸びをして立ち上がると、 「しゃあね~なあ。俺も手伝うか。」 「弘樹!」 弟の弘樹(ひろき)はなぜか頭が良く、常に冷静で上から目線な男である。 お父さんはあんなに優しいのになんでこんな子になったのだろう。 まあ悪いやつではないんだけど、最近本当に生意気で私はそれが気に入らない。 お父さんは申し訳なさそうに、でも嬉しそうに 「すまない。二人とも。ありがとう!」 と言った。
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