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この話は、美しく儚い桜の花々が散り行く前の物語。
綱道が新撰組を抜ける前、まだ、信頼のあった頃から、始まりのある出来事の記憶――
ある日、綱道は、新撰組に一人の美しい男性を連れてきた。
そして、近藤とその男と綱道で話をする事になった。
今回は土方を外してほしいと綱道が近藤に頼んだ。
近藤は、綱道の連れてきた男性を見て、土方よりも美しいと思った。
髪の色は黒く、長さも、土方と同じくらい。
でも、こんな美しいものが、本当に男なのかと近藤は思った。
そして、綱道の説明を聞いた。
この者を、新撰組に入れてほしいとのことだった。
羅刹の事に関しては、自分の側で、少し手伝いなどをしていたから知っている。
そして、剣術に長けていて、隠密等もできる、と言う。
「ほぉ、これは、結構頼もしいですなぁ。」
近藤は、綱道の頼みなら、入れてやるつもりではあった。
が、一つ気になることがあって、綱道に聞くことにした。
「だが、その者は、本当に男なのかい?その割には、すごく美人に見えるが。」
綱道は、その言葉に驚いた。
こういうのに関しては、一番疎そうで、この子が女だと気付かれる事はないと思っていたからだ。
そして、その事を口にすると…。
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