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「確かに、トシ達ほど、敏感ではないが、その者には、何か感じるものがあってな。」
近藤に気付かれたと言う事を、考え男として、ここに入るのはできないだろうかと思った。
他の隊士に、気が付かれる恐れがあると思っていた。
「だが、見た目は確かに男の装いだし、それほど簡単には見抜けないだろう。この装いをして、ここに入れたいと言う事は、何か、事情があるのでしょうな。」
と言う。
綱道は、それを聞いて、入れてくれるであろう事は予想出来ていた。
そして、ちょっと言う事の出来ない事でと言って、この子を男として、ここに入れてもらえないかと頼む事にした。
本当は、トシに事情も聞けと言われるだろうが、言いたくなさそうに見えて、近藤は深く聴かないことにした。
そして、近藤は、一言も話さない行動の連れを見て、緊張で口が開けないのだろうかと思った。
「どうした、口を開かないが、緊張しているのか?」
「あっ、はい。すみません。近藤局長。」
「いや、そんなにかたっ苦しいことはいい。名を聞いてもいいか?」
「はい。侑と申します。」
「ゆう?」
「はい。…私の持っている名前は、これしかありません。」
「こ、これは、悪いことを聞いてしまったか?」
「いえ。」
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