‐事件発生後‐

4/11
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「私の名前はユミコです。 付き合ってまだ数ヶ月の彼氏がいるのですが、その彼がかなり暴力的で…… 私は早くから別れを促していたのですが、彼が諦めれないようで。 何度が逃げようもしたのですが、すぐに居場所が見つかって余計酷い目に遭わされるんです……」 ユミコという名前に何か引っかかるような気がしたが、今はそれどころではなかった。 「そっ、それで…… もっと遠くに逃げようとしたのですが、荷物の準備をしていると、か、彼氏がやってきて……」 そこまで言ったところで彼女は耐えられなくなったのか、顔を伏せて嗚咽しながら涙をぽろぽろとこぼし始めた。 「大丈夫。落ち着いたらで良いから、ゆっくりと話してみて?」 俺はそう言いながら頭を静かにさすってあげた。 涙を目に浮かべ、時折それを手で拭いながら彼女は話し続ける。 「そっ、そこで色々問い詰められて……怖くなってその場からっ……!!」 ついに彼女は両手で顔をふさぎ大声で泣きだした。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!