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棟梁達が住んでいたビルは一見、快適にすめるスペースはないように思えたが、4階のしたっぱがいたスペースを始め、奥の部屋は普通の家のように住めるスペースになっていた。
彼らの生活していた生々しさが残る部屋で俺達はくつろぐ。
まぁ完全にリラックスはできないが。
「あのしたっぱ達はもう帰ってこないのかな?」
フェルは長い髪を串でとかしながら言う。
「目の前で仲間が2人もやられたんだ。
どうせびびって戻ってこれねぇだろうよ」
「あ、そういえば4階で倒れてた2人いなくなってたね~。
仲間が逃げる途中に連れていったのかな?」
「デラスがやったやつは多分生きてるだろうけど、棟梁にやられたほうは厳しいだろうな。
でもちゃんと倒れた仲間も連れていくってところは尊敬するよ。
こんな世界にはそういう気持ちが大事なんだから……」
「そうくれぇ顔すんなよ。
お前が世界を変えてやるんだろ?」
「あぁ、絶対に変えて見せる」
俺には世界を変える、思いやりの気持ちを取り戻すこと以外にやらなければいけないことがあるが、2人には黙っておく。
とくにフェルには……
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