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周りには巻き込まれる危険を知りながらも、興味本意で集まってきた野次馬がいる。
だが誰も巻き込まれた人を助けようとはしない。
「一般人を巻き込んでも見向きもしないなんて……」
俺は拳を握りしめる。
「おっさん喧嘩売ってんのか?」
「ぶつかってきたんはそっちだろ、何を言ってるんだ!!」
「俺はコンバーターなんだぜ、それでもそんな偉そうな口きけんのか? あぁ?」
「お前みたいなチャラチャラしたやつには負けんよ。なんだその髪型と服装は、私には理解できん」
「そんなに踊りたいか?」
ファッションを汚された瞬間、若者の雰囲気が変わった。
一瞬背筋が凍った。
ものすごい何かに圧倒された気がする。
こんなしょうもないことで一般人を巻き込むなんて……
若者の方は一見、能力を使った形跡はない。
ただ鉄パイプを手に持っているだけ。
鉄パイプの長さは1メートル以上あり、太さは大根ぐらいはあるだろうか。
あの自信からしてコンバーターなのは間違いないだろう。
一方、おっさんの手には白い箱が握られている。
さっきの爆発はこの白い箱と関係があるのだろうか?
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