明彦

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今日は部活が休みになった。 部活の顧問の先生に急用ができて、早退したとかなんとか? なにはともあれ、バスケ部のハードな練習を一日休めるのは素直に嬉しい。 嬉しくて、隣の席で本を読んでいる横顔に話しかける。 「そっか、休みか」 こちらを向いた顔はなぜか思案顔で、その大きな目をそらさないまま次の言葉をもったいぶっている。 赤くなった顔をごまかすためにそれを咎めると、その唇から思わぬ言葉がもれる。 「うち、遊びに来いよ」 俺の心臓は、急に早く打ち出した。
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