3.再会

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「で、どうした?」 タバコの火を消すと行儀悪いが机に腰をかける。 彼は切羽詰まった物言いで、 「B.D.が…………」 「酷いな」 立ち込める異臭に思わず鼻を摘まむ。 石畳には乾ききって黒ずんだ血。 そう、昨夜この場所で市民宝石が狩られたのだ。 「見つかった遺体には原動力が既に抜き取られてた。灰化しなかったのは僅かに残った欠片のお陰だ。ま、こっちとしちゃあありがてえ話だが…」 バルドは首を横に振り、次に出てくるであっただろう言葉を否定した。 「……………」 アレクは黙った。 やり口を知っているから。彼がやったのだと告げている。 やり場の無い感情を押さえ込む代わりにぎり、と奥歯を噛み締めた。 「しゃーねー、一旦学園に戻って」 グシオンがそう言いかけた刹那、向かい側から突如として濁流が押し寄せてくる。 「あれは魔道!?」 咄嗟に叫び避難しようも、早さが尋常ではない。 あっという間に三人は飲み込まれ、壁に叩きつけられる。 ぐ、とくぐもった悲鳴をあげた。 辛うじて助かったアレクは頭を振るう。 瞬間、突風が貫く。 鎌鼬のごとく。 頬を切られるも、怯みはしなかった。 知っていたから。 だがあり得ない。 だって彼はもういないのだから。  
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