1.日常

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「父上、おはようございます」 「おはよう、アレックス」 家族唯一の団欒場所である食堂へ出れば人がすでにいた。 ―――ダルバード・カルディナル。 カルディナル家当主であり、また二代騎士の内の左翼に当たる。 アレックスは席につくと話を持ち出した。 「ここ最近、B.D.の活動が活発です。殺され原動力を奪われた市民宝石の数も、今月は例月に比べかなりの数になります」 「それは私の耳にも届いている。…痛い話だな。………黒十字架。奴を倒さぬ限りはこの輪廻は続くだろうな」 「最もですが、下手に動けばこちら側が壊滅してしまいます。もう少し、もう少し様子を探らないと………」 悔しい思いで歯を食い縛る。 「お前の気持ちはわかる。だが気持ちだけが焦ってはならん。時を読め…アレックス」 「………はい!!」 話しているうちに朝食が出来上がったらしく、料理が運ばれてくる。 それらを食し、学園へと向かう支度をし始めた。 また今日も変わらないのだろうと。 そう信じて。 「では行ってきます」 扉を開き、歩み始めた。  
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