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「またアイツの所だろ。…ったく」
「嫉妬であるか」
「そうじゃねえよ!!」
物凄い気迫でリュクレールに詰め寄る。
だが同時に図星であることがわかる。
制止の言葉をかけ続け、ようやく離れてくれはしたものの、目線が怖い。
「い、今から微調整を行うのであるが…。見てみるであるか?」
「おう。暇だから付き合ってやる」
などと悪態をつきながらも、ふたりは奥へと消えた。
実験用の台には人が眠っていた。
いや、実際には死んではいるのだがそれにしては顔色がいい。
まるでたった今死んだような。
「おや、リュクレール。実験再開ですかァ?」
気だるそうな声をあげる。
ソファーにどっかと座っているのはエターナル。
不気味な笑みを浮かべながらこちらを見ている。
「まあそんなところである。瑠璃、先程の原動力を」
「はいはい」
袋から乱暴に原動力をばら蒔く。
どれも市民宝石から奪ったものだ。中には学園生徒のものもあるかもしれないが。
「ふむ、これだけあれば十分である。…二人とも、危ないから下がるである」
巻き込まれる、と付け足し、二人を壁まで下げた。
「では、いくである」
突如として部屋に目映い光が突っ走る。
何が起こっているのかもわからない。
ただその場で目を塞ぐだけ。
その選択が強いられた。
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