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とある建物の監視カメラからの映像を画面越しに見ていた者は笑いだしたいのをこらえ、グラスに残ったワインを一息に飲み干した。普段飲むものと何ら変わりは無いはずなのに、極上の美酒であるかのように感じる。
「人間の壊れていく様を見るのはなんて楽しいのだろう。そう思わないか?」
伸ばした舌の上に最後の一滴を落とすと、再びこらえきれない程の笑いが、決壊したダムの水のように押し寄せたのか、グラスを握りしめたまま、壊れた人形の様に笑い始めた。
ふふ、ふふふ、あは、あは、あはははははははははははは。
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