誰かの為に生きる世界

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約束よりも2時間以上も早くに光太郎は公園に来ていた。 7月も下旬で暑さのピークを迎えるというのに学ランを着てベンチを陣取っている。 つまりはアームズを装着している訳だ。 彼が早く来た理由は沙姫よりも先に会いたい人物が居たからだ。 「待たせたね光太郎」 「ああ、随分と待ったぜアグニ」 光太郎の待ち人はアグニエシカである。 「とりあえず、こいつを返すよ」 横に立て掛けておいたバットケースからダイナを取り出した。 「それは?」 「エクスカリバーとアロンダイトがくっついたらこうなった」 アグニエシカの疑問に回答を導きつつ、光太郎は2つの剣が離れるように念じた。 何の予兆もなしに2つの剣に分かれた。 「サンキューな。色々と助けられた」 アロンダイトの方をアグニエシカに手渡しつつ、エクスカリバーを解除して木刀に戻す。 アグニエシカの方もアロンダイトを受け取ると純粋な銀の剣から以前に光太郎が見た白銀の剣に戻る。その際に1枚のカードが出てくる。 それがアロンダイトを使うのに必要なものだろう。 「お前はこれからどうするんだ?」 「戻るわ。報告しなきゃいけない案件も多いから。光太郎は?」 「帰る方法は知らん。だけど、しばらくはこっちに居る必要ができた」 「そう。それじゃあ頑張りなさい。次にアタイと会う時が面倒な関係じゃない事を祈るわ」 「精進するさ。ありがとうな」 アグニエシカは手を振って、その場から離れるのであった。 約束まで残り1時間ーーこの暑さと格闘しなければならないとは鬼畜だ。
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