誰かの為に生きる世界

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翌日、朝に病院から沙姫が目を覚ました報告を受けた。 全員も病院に早速到着した。 「良かったわ沙姫……」 「心配を掛けてごめんなさい」 「奇跡ですね。いったい彼女に何があったのか……それにしても目を覚まして良かったです」 医師は容態の悪かった沙姫の様子を見て思った。 沙姫は自分の周囲にいる人の顔を見渡す。 だが、その中にはとある少年は含まれていなかった。 気付かない位置に立っている訳ではない。 ーーーそりゃそうだわな。 誰にも気付かれないようにそっと病室を出る。 それにアリア達が気付いていれば結末は変わったかもしれない……が、必ずしもとは言い切れない。 彼も沙姫と視線を交わす事はなかった。
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