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「ほう、ほう……実に興味深いな」
とある地下室、アパート1人程の広さの部屋だった。
その部屋にはいくつも机があって、机の上には本やパソコン、テレビなどが置かれていた。
その部屋の主である男はテレビを仰視していた。
テレビには剣を携えた学ランを着た小学生程の少年が映されていた。
「アグニエシカに貸しておいて正解だった」
男は机の上に置かれた赤いカードに目線をやる。
「はてさて、まさかこんなところにアームズがあるとは思わなかったよ。しかもエクスカリバーのおまけ付きだ」
新しい玩具を見付けた子供を連想させるような不適な言葉。
「それよりもダイナか……まさかこのような能力が隠されてるとは知らなかったよ」
赤いカードを手に持つと眺める。
「叩けば埃が出てくるみたいだな」
ニヤリと唇の端が上がる。
「んじゃ、オレはアロンダイトについて調べておくよ。せいぜい頑張ってくれよ……皇光太郎」
男はテレビの電源を消す。
そして、重い腰を上げて部屋を出る。
世界は見えないところで進んでいく。
見えるところでも進んでいく。
少年は少女の為に嘘をついた。
少女の為に少年は自らを犠牲に生きる目的を与えた。
これが果たして吉となるか凶かは……神のみぞ知るところだ。
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