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「愁香に琴音だね。
私は雲牙綾。こっちの小さいのが菅井太刀吉」
「うぅ……よろしくッス……」
おぶられている太刀吉が、綾の背中から恥ずかしそうに頭を下げた。
同じくおぶられている琴音が、愁香から身を乗り出すようにして太刀吉の姿を覗きこむ。
「ん~、弟にしては、似てないというかなんというか」
「弟?
ふふっ。太刀吉、どうやら君はどのような状況においても同年代とみられる事はないようだね」
「えっ? まさか……?!!」
含みのある笑みを見せる綾。
琴音は、綾の言葉が信じられないと言った様子で、より顔を近づけて太刀吉を観察し始める。
意外だったのは愁香も同じで、もぞもぞと動く琴音を落とさないようにしっかりと掴みながら、太刀吉の顔を良く見てみた。
そう言われると、顔つきは中学生のように見えなくもないが、どちらにせよ、言われなければ高校生とは気付かないだろう。
「へぇ、人間ってすご~い」
琴音が感心したように呟く。
その内容がおかしくて、愁香は苦笑いを浮かべる。
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