~第一章~

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「そしたら、髪の長い人が手を上げて歩道に立ってんだよ。それで、車を停めてドアを開けたんだ」 「うんうん、それで?」 スバルはテレビよりもこの話が気になっていた 「それで、その人は乗ってきて、近所の墓地に行きたいって小さい声で言ったわけ。俺はもうそこで、これはヤバイって何となく分かったんだけどな」 同僚のタクシー運転手も同じ状況に出くわしたって言ってたからよ、と父親は続けた 「でも、乗せたからには目的地まで行かなきゃならないだろ?だから、怖かったけど墓地まで乗せたんだよ」 「で、着きましたよ~って後ろを振り向いたらもう誰もいなかったんだ」 「何だよそれ、普通に怖いじゃん」
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