~第一章~

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スバルは背筋がゾクゾクしてきた 「まあタクシー運転手の間じゃそんなに珍しいことでもないけどな」 それに、と父親は続けた 「何でかは知らないけど、金が置いてあったんだよ。律儀な幽霊だよな」 それは、スバルにとってはどうでもいいことだった 「他に何かなかったの?幽霊っぽい言動とか、様子とか」 父親は考える素振りを見せて 「ん~、その人は目的地以外何もしゃべらなかったからな~。ああそういえば、シートが濡れてたな。幽霊のお漏らしかな?」 そう言って父親は笑いだした (ぜんぜん笑い事じゃねぇよ!) スバルは使っていた食器を洗って、早足で自分の部屋に戻った
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