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スバルは背筋がゾクゾクしてきた
「まあタクシー運転手の間じゃそんなに珍しいことでもないけどな」
それに、と父親は続けた
「何でかは知らないけど、金が置いてあったんだよ。律儀な幽霊だよな」
それは、スバルにとってはどうでもいいことだった
「他に何かなかったの?幽霊っぽい言動とか、様子とか」
父親は考える素振りを見せて
「ん~、その人は目的地以外何もしゃべらなかったからな~。ああそういえば、シートが濡れてたな。幽霊のお漏らしかな?」
そう言って父親は笑いだした
(ぜんぜん笑い事じゃねぇよ!)
スバルは使っていた食器を洗って、早足で自分の部屋に戻った
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