第一章 出陣!!春日山!!

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 政虎は酒豪であった。  超がつくほどの大酒飲みであった。  政虎は春日盃を抱え上げると、ゴクンゴクンのどを鳴らし、それを一気に傾けつま飲み干して見せた。 「ぷはぁー!」  政虎は毘沙門天に空の春日盃を差し出して見せて、ニヤリとした。そうかと思ったら「カッカ」ち高笑いした。  政虎は毘沙門堂を出ると、群がる全軍に告げた。 「勝てるぞ!毘沙門天は今日も我に味方した!運は我にあり!勝利は我が軍にあり!今度ころ極悪人信玄を討ち、信濃に平和と秩序を取り戻すのだっ!」 『おおー!』 兵士たちは大歓声を上げた。  永禄四年(1561)八月十四日、政虎は春日山城を出発し、川中島へ向かった。  総勢一万三千。
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