変人彼女。

５

インターハイが行われるちょうど２週間ほど前。
梅雨を終えて日本の学生たちは夏休み目前のある日。

千歳にとって生涯忘れることのない最悪な日。
その事件は起こった。

その日は土曜日で、午後練習だった陸上部を午前には部活の終わった俺が図書室で勉強しながら待っていた。

夏休みの数十日だけ解放する図書室は冷房をガンガンいれて肌寒いほどだった。

午後５時。
睡魔に負けそうになっていた俺の肩をツンツンと誰かがつついた。

「お待たせ!!遅くなってごめんね。」

図書室ということもあり、少し声のトーンが低い。