第3話 秘密

11/11
41人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
「あらあら。 それは青春ですねぇ。」 リュエ様は口に 手を当てて笑った。 「り、リュエ様まで! 私はシルビアにからかわれて いるだけで、本気で 口説かれている訳では…!」 「あら、そうなのですか?」 「からかわれる=(イコール) 本気ってことだよ?」 二人にからかわれて 私は更に顔が熱くなった。 「私は…シルビアに 興味はありません! サーナもふざけすぎ!」 私は二人に向けて叫んだ。 「ふふっ、ごめんなさい。」 「そんなに照れなくても いいのにぃ。」 「サーナ!」 「はいは~い。」 そんな話をしながら 3人で笑い合った。 「キリカ、おやすみ。」 「うん、おやすみ。」 私たちはシャワーを 浴びて階段を上がると、 それぞれの部屋に戻った。 私は今日のことを日記に 書いて電気を消すと ベッドに寝ころんだ。 月明かりが窓から入って ぼんやりと部屋が明るい。 明日の授業、何があったっけ? そんなことを考えていたら だんだん眠たくなってきた。 今日は…ちょっと 楽しい一日だったなぁ… 二人が帰って来たから…かな… 薄くなっていく意識の中で 今日のことを思い返した。 …シルクに少し彼のこと 話しすぎたかも… ジタンと仲のいいシルクが この話をしないとも限らない。 気分屋のシルクが、もしも やっぱりそいつを捕まえる って言い出したら… ……いや、それはないか。 シルクは堕天使だから、 事情を詳しく知ってた方が きっと協力しやすいはず。 悶々と考えを巡らせながら 気付いたら眠りについていた。 私なこの時はまだ、 シルクに対して特別な 感情が芽生えてたなんて 気付いてなかった… .
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!