第1話 約束

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私のいる神界は、神様に 使える…言わば天使たちが 暮らしている神聖な場所。 だからか、みんな とても美しい姿をしていた。 肌は白い人が多くて 瞳も青や緑、黄色など ほとんどが自然色。 そして髪は精気を溜めるのに 必要だから男女とも長く、 白や銀色、金色などなど 清潔感溢れる色をした人しか いなかった。 そう、私を除いて… 私は物心着いた頃から 髪が黒かった。 と言うより、こちらに 生まれてきた時から。 私と同じ髪の色は本当に 神界には誰一人としておらず みんな私を『堕天使』と 突き放していた。 堕天使は、生前に悪事を 行って亡くなった人がなる。 つまり魔界に住む、 魔王の使いって事だ。 闇に住む堕天使は 天使とは正反対な面が多い。 瞳は血の色…赤色が必ず 含まれていて、髪も黒や 茶色がほとんどらしい。 彼らは魔力の差で 髪の色が違うらしいけど、 よくわからない。 -神様と魔王はお互いに 憎み合い、滅ぼそうとしている。 だから強制的に 天使と堕天使も敵同士と 言うことになる。 だけど、あくまで 神様と魔王が不仲だからと 言うだけであって、 みんながみんな憎み合ったり している訳じゃない。 実際、天使と堕天使が 関われる場所もある。 『天界』 神界と魔界の境にある 仲介の場所。 神様と魔王は自分たちのいる 世界以外には手出しが できないため、天界に 行くことができない。 ただし、使いである 天使や堕天使だけは いつでも行き来できる。 本当に神様に使える者と まだ使いになったばかりの 幼い者だけは神界にいるけど それ以外の者はほとんど 天界にいることが多い。 そして、推定7歳の私は ずっと神界にいたんだけど ただ髪が黒いだけで神界から 追放されそうになっていた。 いきなり大人たちに捕まり 背中まで伸びていた髪を ナイフでバッサリと切られ 精気を奪われてしまった。 .
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