第2章 旅立ち

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旅立ちの日は訪れた。 早朝から目を覚ますが 今日はあいにくの雨模様。 まるでこれから不吉なことが起こる前触れのような…。 両親に見送られる際 父に刀を賜った。 長い刃に 全体的に青光りのある刀身は 我が家の昔から 受け継いでいる物らしい。 父は調査兵団の知り合いに 「よろしく頼む。」 と言ってから 僕の背中をトンと押し出した。 「剣は大事な物なんだから必ず返しに来なさい。」 それは父なりの 子を思う気持ちなのだろう。 『生きて』と言われた気がした。 僕は父に親指を立てた グーサインを出してから、 調査兵団の馬車へと走って駆け寄った。
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