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なんだか不思議な気分である。
僕は父にこのような
申し出をした時から
自分の命を投げうってでも
何かを変えたいと
強く望んでここにいる。
だがしかしどうだろうか、
今馬車の中には
新たに増えてしまったニーアが
楽しそうにワイワイと
誰これかまわず話を振る。
ある程度緊張感を持って
進んできた一行の空気は
彼女によって崩された。
傍から見たら旅行に行く
団体客のようなのだろう。
でも、こんな空気は
嫌いではなかった。
護りたい、これから先ずっと。
気持ちは変わる
いい方向にも悪い方向にも。
強制的に持ち運ばれた
僕の大切な宝は
必ず持ち帰らなくてはならない。
気持ちは前へと揺らいだ。
やがて雨は上がり
コルド樹海を目の前にした。
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