空に手を伸ばせば何かくれるの神様は。

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『リン』は空を見上げ、もう一度自分が『伊藤勘助』だったことを思い出した。 「リン?」 リンは笑って、恐る恐る立ち上がった。 「こりゃあいい。腰を曲げんでも良いのか」 何一つ不自由がない体に満足そうにしている。 「行くぞ、ポチ」 「ほんとに名前それなの?」 当たり前じゃろ、と笑うリンは歩きだした。 ポチは身軽に跳ね、リンの肩に飛び乗る。 「まずはどうするんじゃ?」 「多分この先に町があった気がするからそこに行こ。魔王の情報集めなきゃ」 「なんじゃまおーは迷子かなんかか」 そのあと、ポチがため息をついたのはいうまでもない。
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