赤色の空は所詮赤色

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「あの、すまんが……」 リンが人を呼び止めると、女の人だとその人は決まって顔を赤くする。 「この辺でまおーを見なかったか?」 だがこの一言で顔を赤らめていたわりには冷めた顔をしてリンから離れていく。 リンは頭をかいて空を見上げた。 もうとっくに空は赤くなり、燃えるように赤い太陽はリンを見下ろしている。 「もう30人目じゃ」 「お腹すいたー」 リンはポチを見た。 「ホントに夜どうするんじゃ?金がないし、なんも買えん」 「うーん、村の外で野宿、かな。この季節だと寒くないし、川に行けば魚もいるよ」 リンは来る途中の川を思い出した。 「所謂、きゃんぷじゃな」 嬉しそうにリンは言うと、外に足を運んだ。
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