赤色の空は所詮赤色

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「死ぬってわかって過ごすのは辛かったが、ばーさんが居てくれたからのぉ」 リンの顔が少し複雑そうにゆがんだ。 「……おばあさんが心配なの?」 リンは図星をつかれ、寝転んだ。 より多くの星がリンの目に飛び込んで来る。 「ばーさんは、大丈夫じゃ。きっと」 ポチは目を丸くした。 最後のきっと、が 「なんか、リンみたい」 そう呟いたがリンには聞こえず、ただ寝息だけが響いた。 もう寝てしまったらしい。 「……リンの顔なのに、なぁ…………」 気持ち良さそうに寝るリンにため息をつき、ポチも目を閉じた。 長い長い最初の一日が ようやく幕を閉じた。
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