空に手を伸ばせば何かくれるの神様は。

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見渡す限りの野原に、草がビッシリと並んだ大地。 若草色に埋もれるようにしているのは青い髪の男。 風に鼻先をくすぐられ、うっすら目を開けた。 「……む。朝か」 起き上がった男は伸びをした。 そして異変に気づく。 「背中が、ボキボキ言わん」 そして、もう一言呟いた。 「ここ、どこじゃ?」 見渡す限りの草原に目をみはる。 目を擦ってもう一度見た。 「わし、老眼鏡かけとらんが」 ここ数十年見てきた景色からは掛け離れている。 「リンー!!」 上からの声に男はとりあえず顔を向けてみた。 何かが近づいてくるが太陽と重なり、見えない。 眩しくて男が目をつぶった瞬間、落下物と男は顔面同士でぶつかった。
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