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男は悶絶した。
鼻を押さえて座り込んでいる。
「いだい……」
落下物は男のそばでうめき声をあげた。
男は驚いた。
「なんじゃ?猫?」
確かに声が聞こえたのに目の前に居るのはクリーム色で毛並みが整った小動物。
短い前足を額に当てている姿は愛らしい。
「リン?何言ってるの?僕はイタチだよ?」
「猫が喋っ……」
「イタチ!!」
男は興味津々にイタチを見た。
「ねぇリン、なんで生きてるの?」
男は怪訝そうな顔をした。
自分の名前は
「わしは伊藤勘助じゃ」
イタチは小さな目をぱちくりさせている。
「それよりここは?わしは確か病院で……死んだはずじゃ」
声のトーンが自然と低くなる。
「何言ってるの?魔王を追いかけて落ちちゃったんじゃない」
しばしの沈黙が流れた。
そして二人同時に口を開けた。
「「は?」」
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