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私は、薬が嫌いだ。 風邪をひいて熱が出た時、皆さんは一体何℃の発熱で解熱剤を使おうと思うのだろうか…。 ある日の勤務中、患者さんの家族から声をかけられた。 『すいません、熱が37.1℃もあるんですけど…解熱剤のお薬頂けませんか?』 もちろん39℃以上発熱しているなど、今すぐ対処が必要な場合は別にして、私自身ができるだけ薬に頼らず、氷枕や掛けものを調整して自然に解熱するようにしたいと考える人間なので、時々『えっ!?』と驚くような要望を受けることがある。 もちろん、健康管理に対する考え方もそれぞれ違うし、特にご家族の場合は患者さんに対する思いによっても全く変わってくる。 だから、何が正しいとか、答えは無いのかも知れないけど、 ただ言えるのは『自分のいざ』と言うときどうするか、その気持ちが一番正解に近い気がすること。 人工呼吸器はつけるのか、胃瘻(食事が口から食べれなくなった時に、胃に直接穴を空けて栄養剤を流し込む方法)をするのかしないのか、心臓マッサージは??? 自分の気持ちを、誰かに伝えておくことがいかに大切か。 大切な人の気持ちを聞いておくことがいかに大事か。 それが最期まで、大切な人を守ることにつながる気がします。 もし、自分でご飯もたべれず、トイレにも行けず…寝返りも言葉を話すことも出来なくなった時。 医学の進歩に賭けて、最大限寿命を延ばす努力をするか、 自然に身を任せ、残された日々を自分の寿命と向き合うか。 医療者も家族も、見えない答えを探し続けます。
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