第一章

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「ああぁぁ……うぅん」 「ヒッ、い…痛い痛い痛い痛い………ぐぁぁぁ!」 「うひっひひひっ………お、おねぇがいします………」 血と液が飛び散っている部屋には異臭の臭いが充満している。 8畳ほどの部屋の壁は人工的ではない何かの液が元の壁の色を隠すほど隙間なく飛び散り、一瞬だけ見ればアートによく見れば人間が受け付けない芸術作品を残していた。 貪欲な赤は白を呑み込み、透明な液体はそれを中和し絵が少しずつ出来てゆく。 幾度も幾度も塗り重なれた色は次第に絵になり完成する筈だった………… 赤が少ないのか? 白が多いだろうか……。 無色な液が塗られてないのか………? 何が足りないか解らなくなった。 どおやっても完成しない絵は、作り手を追い詰め次第には人を人ではなくした。 答えは簡単、決して目に見えない手に取る事すらできない物。 人が人であるために無くしてはいけない・・・だった……………
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