飼育員の手記

11/11
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
Jan. 23/2xxx () 今日の天気:大雪 ヤマダに頼んだのに何故かタカナシが来た。 何故か一緒に『首狩りのフェリシア』もいて、彼女曰く、『イルクーツク演習場で『ヌエ』に遭遇して、その後女の子の声が聞こえたと思ったら、急にタカナシさんがコックピットを飛び出した』とかなんとか。 なんと、てけとーに名付けた『サクラ』の名が本名と同じだったという奇跡。わーすごーい。 サクラは結局、間に合わなかった。 実験の時に打たれたヤクのせいか、何をしても体温は上がらず、タカナシが来てすぐに、タカナシの胸で逝った。 タカナシはその後、サクラの遺体を抱えて、乗ってたパイソンSCに乗り込んでどっか行った。 俺は、フェリシアさんのレスラインFSに載せてもらうことになった。明日には帰れる筈だ。 (以下、データ破損) ※付近で発見された備品や、本文内容から推測するに、当ファイルはクシャーナ陸軍第二情報課属、陸軍第八二三九HA小隊前隊長、ジャック"ケーニヒ"アレン大尉の所持品である可能性が高いが、付近で発見された、ワルキュリエカンパニー、レスラインFSフェリシア=エルブマン大尉機からは、フェリシア大尉と同様に遺留品すらも残っておらず、失踪事件に巻き込まれたものと断定され、捜査は終了している。 また、文中の当社小鳥遊克章大尉(イルクーツク第八次演習中に脱走、行方不明)には『左久良雪江』という姓名のガールフレンドが確かに存在している。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!