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1/23 19:45 イルクーツク雪地演習場
「……で、なんでしょーね?アレ。───蝮3、そろそろ移動してください」
『わからん。ポルターガイストか?……っと』
相手を潰しながらだからよく見えないけど、さっき確かに、何もない空間からビームが出て、山が消し飛んだ。
作戦停止令が出ないところを見ると、司令所からは観測されてないらしい。この作戦は通常戦じゃなくて合同演習だから、ちょっとしたハプニングで止まる可能性は高いんだけど。
『向こうも見てるんかねぇ?……あ、また出た』
今度はさっき消し飛んだ山の真上辺りからまたビーム。
「あ、ホントだ。───見てるでしょうね。訊いてみましょう」
共用回線に切り換えて、
「こちら蝮1、小鳥遊大尉、今撃ち合ってるモンです。クーガー1、応答願います」
呼び出しながら目の前の黒いHAの右肩甲に二発かすらせる。
『ああ、タカナシさんでしたか。こないだフジで一緒だったフェリシアです』
相手もこっちの足許に三発。
「その節はどーも。見ました?」
サイドステップで避けるフリをしながら左肩甲に二発。
『さっきの光ですか?見ました。……何でしょうね、アレ』
後ろから援護に来た二機のコックピットに一発ずつ。
「ウチ、まだビーム兵器配備されて無いんすけどねぇ」
『蝮4割り込み。ウチだけじゃなくて、ほとんどの会社のHA用ビーム兵器はまだ実戦配備可能段階じゃないですよーん』
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