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「だから、
…別れてほしい。」
…嘘だ。
そんなの嘘。
だって、今日も昨日も、一昨日も。
楽しそうに、笑ってたじゃない。
あたしの、隣で。
「や、やめてよそんな冗談!!
笑えないし!」
合っていた目線をそらし、下を向く。
嘘だと、冗談だよと笑って。
笑ってよ…っ。
「…ごめん。」
そう言われた瞬間、もう一度彼を見る。
今まで見たことないくらい、真面目な顔をした彼の顔が、少し低くなってきた、灰色の空をバックに見えた。
ああ、雨降りそうだな。
なんて、ぼんやりそう思った。
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