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「わあ!雨だあ!」
「ほんとだあ!帰ろお!」
「またねー!!」
「また明日ー!」
子供たちは散り散りに帰り始めた。
でも、あたしは動けない。
ポツ、ポツ
降り始めた雨は。
さっきまで子供たちが遊んでた遊具も。
土も。花も。草も、樹も。
あたしが座っているベンチも。
…あたしも。
全てを濡らしていった。
だんだんと激しさを増す雨音を、
どこか遠くに聞きながら…。
さっきの事を信じたくなくて、嘘なんだと、夢なんだと、自分に言い聞かせてた。
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