871人が本棚に入れています
本棚に追加
/590ページ
《アサミ》
名字もなく、名前だけ刻まれたメモリ。
私は彼女の本名を知らない。
けど……
お店にいる時、一番仲良くしていた後輩なんだ。
今、何してるんだろう?
少し気になって、メールを打ってみることにした。
まだ、お店で働いてるなら今から出勤だろうし……
帰り支度を済ませて会社を出る頃、携帯が鳴り出した。
♪~♪~♪~
《アサミ》
『もしもし、アサミ?久しぶり~!』
[お久しぶりで~す。今、何してるんですか~?]
電話口から聞こえる相変わらずの甘えたような喋り方。
私は彼女のこんな所がけっこう好きだったりする。
距離を詰めなくても、向こうから寄って来てくれる。
人懐っこいって言うのかな?
『今~?仕事終わって、今日は暇なんだよね~(笑)アサミは?』
[私も暇です!飲みに行っちゃいます?]
あっと言う間に今日の予定は決まって、
私は一旦家に戻って着替えてから出かけることにした。
最初のコメントを投稿しよう!