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あーでるはいど
「クララの馬鹿!弱虫っ!!」
友人のその発言に私は衝撃を受けた。
いかに開けっ広げな性格が売りの友人だとは言え、デリカシーの欠片もない発言には不快を感じずにはいられない。仮に私の心を奮起させる為の言葉だとしても、もう少し言い様があるのではないだろうか?
「…ハイジ」
衝撃とそれに付随した怒りに私は言葉を失った。
ありとあらゆる罵倒の言葉が脳裏を占めたが、それを口から紡ぎ出す事でこの怒りを鎮める事は出来そうにない。もっと、シンプルかつ決定的な行動が要る。
そうして、圧倒的に私の心を埋め尽したのは、純粋なる殺意…
私はゆっくりと立ち上がった。
歩く事への不安と恐怖は殺意によって封じ込められ、これから行なう事項への渇望が私の足を進ませた。
「! …立った。…クララが立った…!!」
驚愕の表情を浮かべる友人に向かって、私はゆっくり近付いていった。
友人は私の目に浮かんでいるものに気が付いたのか、恐怖に顔をこわばらせ、その場に立ち尽くした。
「ハイジぃぃぃ……」
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