それぞれの卒業

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それぞれの卒業

この頃になると学校でも 卒業式の練習が始まる。 私は一人で考えていた。 あいりは、お姉さん夫婦に引き取られ、職探しでしょう。 千秋も親に引き取られる事になったし… 拓海は、このまま学園に残り高校に行く…… 私は…住み込みで理容師のインターン… 住む場所も生活もそれぞれが新しい道に進む。 当たり前の事を考えて、一人でブルーになっていた。 拓海が、「あけみ、卒業したら中々会えなくなるけど手紙のやり取りはしような」 「そうだね😃」 頑張れるような気がしてきたが、心の整理が出来ないでいた。 私は拓海に、〇月〇日に学園を出る事に決まったの。だから、最後に見送って欲しいとお願いをした。 拓海は、言葉を詰まらせながら…「わかった❗」 あいりも私と同じ日に学園を出る事が決まった。 千秋も同じ日に出る。 同じ日に出るなんて、皆一緒に、卒業…… お互いに、思うものがあると見て、当日の話は最後まで口に出さなかった。 拓海とも学園内で手紙のやり取りをしていたのだが、見送りのお願いをしてからは、何度手紙を出しても返事をくれなかった。
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