清楚な同居人

2/10
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
8月某日 そわそわ もう何度時計を確認しただろうか どう頑張ったって秒針が12時を通過しない限り分針は動かないというのに… あと5分で昴が茶道を終え、帰ってくる…どうにも落ち着かない あと3分…カップ麺でも作るか?お湯をわかそうと急須を手に取る …落ち着け そんなアホな行動をしていると ガチャ 扉が開く音 チャイムを鳴らさない…ということは 「只今戻りました」 「おかえり、それで…」 「はい、無事清楚になれました」 (うおっしゃぁぁぁ!) ガッツポーズを決め、心で叫ぶ …いや、これは叫んでもいいんじゃないか?今いるマンション…ここはマイロイドマスター入居率100%だし問題ないんじゃないか? 「大丈夫だ、問題ない」 そんな天の声を聞いた気がした ガラッ! 窓を開け 「ご町内の皆様ぁぁぁ!」 腹の底から声を出す 「マ、マスター!」 次の言葉を発する前に昴に口を塞がれる 「や、やめてください!恥ずかしい…」 真っ赤な顔で怒っているような照れているような、そんな複雑な表情の昴 (清楚な昴…可愛すぎる!) 落ち着かなかった原因 それは、昴が初の性格「清楚」を取得目前だったからなのです
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!