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ヤバい…!!!
バレた?バレた?
アリアの心臓は今日一番の暴れっぷりを見せた。
「…おい。」
「は、はい!」
リュールはアリアが聞いたこともない低い声で話す。
それに驚きながらも、アリアは必死に声を出す。
「すれ違う人には挨拶をする。
…この城の決まりだろう。」
そんな決まりあったんかい!
ついお姫様らしからぬ言葉遣いが出てしまったが、気にしてはいけない。
「も、申し訳ございません!
新人なもので、緊張してしまって…
すっかり忘れておりました!」
アリアは掴まれた腕を振り払うように、ガバッと深く礼をする。
これなら、まだ顔は見えない。
「…気をつけろ。」
リュールはそう言って、そのまま歩いて行き、アリアがさっき曲がった角を曲がっていった。
ふうっと息をつき、またアリアも歩き出す。
どうやら、最大の難関もくぐり抜けたようだ。
大ホールは目の前だった。
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