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さて、無事に玄関から外に出られたアリアは、順調に門までの距離を縮ませていた。
その後ろにリュールの服の裾がチラチラ見えているのは、この際気にしないことにしよう。
アリアも気づいてはいないようだから。
アリアはずっと、外に出たらどこに行こうかと悩んでいた。遊ぶ気まんまんである。
「しきたりなんて古いのよ!
あたしがそんなしきたり、
守る義理なんてないわ。」
本当に姫様らしからぬ姫様である。
「もうほんっとにアリア様は…」
おっと。リュールの溜め息が聞こえてきてしまった。
まあ、リュールの気持ちが分からんでもない。
「そうだ!いろんなところを
見て回ればいいのよ!
きっとそれだけで楽しいわ!」
大きくはっきり聞こえる独り言である。
周りで誰か聞いているかもしれないとは思わないのだろうか。
これだから、リュールは心配するのだ。
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